視線や体勢から心身をデータ化するウェアラブルデバイス

企業名

株式市場

非上場

創業

2018年

従業員数

資本金

1億1,000万円

売上高

主な事業

アイウエア及び服飾雑貨の企画、製造、販売及び輸出入

※2023年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 常に身につける「眼鏡」をセンサリング技術でウェアラブルデバイス化
  • 視線の動きや姿勢の変化を計測しデータを蓄積
  • 専用アプリと連携してデータを閲覧、心身の状態の変化をメッセージで通知

DXの動機・背景

リモートワークの普及やネット環境の向上により、近年は”オン”と”オフ”の境目が曖昧になり、心身ともに自己管理の必要性がいっそう高まっている。とはいえ、記録をつけたり、体調を振り返ったりすることが継続できるかは、個々人に依るところが大きい。アイウエアを販売する株式会社ジンズでは、眼鏡の「日常的に装着するもの」という点に注目し、ユーザーが手を動かして記録することなく、装着し続けるだけで心身の状態を把握できるウェアラブルデバイスの開発を目指した。

経過・対応・取組内容

ジンズが開発したセンシング・アイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」は、ノーズパッド周辺に体の動きを察知するセンサーと、視線の移動や瞬きを察知するセンサーで心身の状態を計測する。こうして得られた歩数や姿勢、まばたきの回数、視線のうごきなどの計測データは蓄積され、ユーザーは専用アプリで閲覧することができる。長時間姿勢が悪い時や集中力が落ちてきたときなどにアプリから通知が来る仕組みだ。またアプリではストレッチやヨガなどの動画をはじめとしたコンテンツが提供されており、計測結果や時間帯に応じて適切なコンテンツが提案される。

得られた成果

2015年に販売を開始した、JINS MEMEの初期モデルは好意的に受け入れられたものの、デバイスそのものの価格や、ファッションとしてデザイン選択肢の幅には改善の余地があった。その後にリニューアルした現行モデルではこの点を大きく解消し、デバイス費用は初期モデルのおよそ半額になり、フレームのデザインも増加し、購入の敷居を大幅に下げている。

編集部コメント

先進的なウェアラブルデバイスとして誕生したJINS MEMEは、最初期モデルから改善を続けたことで、より洗練され利用しやすいプロダクトになりました。市場にないジャンルを開拓し、市場の反応を経て磨き上げていくことの重要さを感じる事例です。ビジネスとして見た場合、その先進技術を詰め込んだ端末の購入費用に加えて、アプリのサブスクリプション費という新しい収益源を創出しているという点も注目すべきでしょう。

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