概要
- 周産期遠隔医療プラットフォームの開発・提供
- 小型センサー搭載の医療機器で胎児の心拍や子宮収縮を妊婦自身で計測
- 遠隔地にいる医師もオンラインで計測データの確認が可能
DXの動機・背景
近年、産婦人科医はその多忙さと訴訟リスクの高さからなり手が増えず、地方によっては産婦人科医を維持できない病院が生じるという問題が起きている。その結果、妊婦は遠方の産婦人科医まで定期健診のため通院したり、病院で長時間待たされたりするといった大きな負担を抱えてしまうケースが増えている。こうした問題を解決するため、メロディ・インターナショナル株式会社では妊婦の遠隔医療を実現するプラットフォームの開発に着手。
経過・対応・取組内容
周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」を開発。従来病院で使用されている据え置き型の胎児監視装置を小型化し、妊婦が自身で胎児の心拍と子宮収縮を計測できる医療機器として提供を開始した。計測されたデータはクラウドサーバに保存され、医師は遠隔でもスマートフォンやタブレット上でリアルタイムに確認することができる。
得られた成果
開発後、日本ではコロナ禍の外出リスク・非対面リスクの認知が契機となり、妊婦の長時間の外出や自宅外での対面を避けられるという点から全国の病院・自治体での採用が急速に拡大した。またそれ以前より、タイや南アフリカなどで導入され、国連が新興国・途上国支援のための物資の購入を行う“国連調達”としての実績を得ている。
編集部コメント
従来対面で行っていた検診をIoT機器の導入により遠方からでも可能とした、遠隔医療の事例です。医療以外の分野でも、各家庭から遠隔でサービスを行う事例は、今後人員や施設が不足する中で増加すると考えられます。
参考・出典
- 周産期遠隔医療プラットフォーム | メロディ・インターナショナル株式会社
- 周産期遠隔医療プラットフォームMelody i – MCPC award 2021
- 【Pregnant women's safety×メロディ・インターナショナル】 日本が誇る世界最高水準の周産期医療技術を遠隔システム化。年間200万人の亡くなっている赤ちゃんを救うために 〜「ポストコロナ時代のヘルスケア・パラダイムシフト」#3 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
- クラウド型胎児心拍計・子宮収縮計で胎児と妊婦を見守る-周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」 :: スマートIoT推進フォーラム