概要
- 森林をスキャンし資産をデータとして可視化する3D地図化システムを開発
- 林業における経営の活性化にはサプライチェーンの最適化が不可欠
- 資産である木材とその収益性を可視化してデータに基づく経営をサポート
DXの動機・背景
国勢調査によれば、林業従事者は長期的な減少傾向にある。住宅需要の変化や輸入木材の価格といった背景に加え、サプライチェーンの改善の余地が大きいことも要因として挙げられる。近年ではこうした状況を変革すべく、IoTを駆使した「スマート林業」によって収益性を高める試みがされている。
経過・対応・取組内容
株式会社woodinfoは森林3D地図作成システム「Digital Forest」を開発した。「Digital Forest」はバックパック型レーザースキャナー「3D Walker」と組み合わせることで、立木の位置や大きさを計測、デジタル空間に森林を再現することが可能だ。スキャンには1ヘクタールあたり10~20分程度。そうして得られたデータをもとに木材がどれくらい取得できるかを計算する。
得られた成果
林業における資産・商品としての森林をより数的に把握し、収益をシミュレーション可能にすることで、森林経営の高度化につながる。地図上の立木の生育状況を可視化すれば、どの木を伐採し、どの木を残すのか、データに基づいた計画的な生産へとつながる。
編集部コメント
効率的な生産はデータに基づき全体を把握することが第一歩です。林業において、その性質上森林の現地調査に多大な労力を要しており、森林資源に関する情報の量/質ともに収集が課題でした。現在では「Digital Forest」のようなスキャン技術の他、ドローンを利用した調査手法など各社が様々な試みを行っており、生産性の向上と産業の振興に自治体を含めて取り組んでいます。
参考・出典
- 「水没PC」に「森林用の3Dマップ作製ツール」、「AIガードマン」「顔認識」……世界に羽ばたく中小企業【CEATEC JAPAN 2018】 – INTERNET Watch
- 【IT×林業】ママが在宅で林業!? 改革を続けるウッドインフォが描く「森林経営のスマート化」の先に訪れる未来(2018年6月13日号) – NexTalk
- つながる林業技術サイト(林業):農林水産省
- 「森林の3Dデジタル地図」で林業のITビジネス化を目指すウッドインフォ|ハイクラス転職エージェントのパソナキャリア
- 一目でわかる林業労働(データ編) – 林野庁/林業労働力の動向
- IT駆使して「森林の経営計画」を策定(2ページ目) | 一歩先への道しるべ ビズボヤージュ
- 3DWalkerによる計測と解析結果例 – YouTube
- 林業IT化、本当のインパクト 森で稼ぐ方法を「見える化」 | 2016年12月号 | 事業構想オンライン