老舗食堂のAI活用、来店予測ツールで業務効率を大幅改善

企業名

株式市場

非上場

創業

従業員数

資本金

売上高

主な事業

※2022年12月時点/公式ホームページより引用

概要

  • 完全アナログ業務だった老舗食堂の営業データをExcl化するところからスタート
  • BIの導入やAIを活用、約9割の精度を誇る来客予測ツールで大幅な経営効率化
  • 自店舗で培ったノウハウを他飲食店にも外販開始

DXの動機・背景

伊勢神宮の門前に構える老舗の食堂「ゑびや大食堂」では、店舗改革によって売上を改善しつつあった。しかし売上の改善が一連の施策によるものなのか、伊勢神宮の参拝客増加という外的要因なのか断定できなかった。また経験や勘による属人的な来客予想を脱却する必要も感じていた。そのため、データに基づいた経営へと舵を切った。

経過・対応・取組内容

Excelでのデータ集計やPOSレジの導入からスタートし、そこで蓄積したデータをもとにAIによる来客予測の実用に着手した。店頭・店内に設置したカメラにより店前の通行量や入店率を分析し、過去の売上データや天候・曜日など様々なデータから、来客数を予測する。来客予測というデータに基づき、回転数を考慮した店内のレイアウトや廃棄ロスを最小化した食材の発注、過不足のない勤務シフトの構築など、店舗経営のあらゆる面を最適化している。

得られた成果

2012年から5年間で売上が約5倍、利益率は10倍に向上。来客予測による適切な発注・仕込みにより、2012年~2019年で約90%の食品ロスを削減した。従業員の無駄な残業や出勤を抑えることができるようになったことで、有給休暇の取得率は80%以上となり、9~15日の特別有給休暇取得も実現できるようになった。また、2018年には株式会社EBILABを設立し、一連の取り組みを「TOUCH POINT BI」として、飲食・小売業向けに外販している。

編集部コメント

サービス業では、現場の経験や勘による判断の比重が大きくなる傾向にあります。それらは重要な資源ではりますが、経営においてはデータの活用によってより客観的な根拠のある判断が可能になります。

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